風呂から上がった時だった。
「さん、子供扱いしないで」
わしわしと頭をタオルで拭く、俺より少し背の高い女性の手を払えば、彼女は少し困ったように笑った。
「子供じゃない、しげるは。十三歳でしょう?」
「子供じゃないから」
へらへら笑う彼女の手を引いて、ベッドへ押し倒してみる。
さんは驚きもせず、動揺もせず、しっかり俺を見つめていた。
「今度はなに、プロレスでもするの?」
「しない、さんを襲う」
「またまた」
「本気だから」
そう言って未だ慣れないくちづけをした。
ただ触れるだけのキス。でもさんは驚かずに、ただ俺を見つめていた。
「襲うんじゃなかったの?」
「・・・」
少し腹が立って、制服から銃を取り出し、彼女へ向けた。
「また物騒なもの出して。どこの組から取ってきたの」
「さんがいう事聞かないから、打つ」
「・・・しょうがないな」
さんは銃をそのまま掴んで下に下ろし、俺に口づけた。
ぬるりと舌が入ってきて、口内を犯されると、官能的な気持ちになる。もっと欲しいとせがむ様に舌を伸ばせば、彼女は困ったように笑った。
「まだしたい?」
「・・・続きがしたい」
「あれはもうしないって言ったじゃん」
「いやだ」
そうせがんだ刹那、電話が鳴り響く。
さんははいはい、と返事をしながら電話を取る。
「もしもし、え?ああ代打ち?今から?どこで?うん、うん、了解です」
そのままさんは上着を羽織り、じゃあ行ってくるねと俺に言った。なんだか嫌な予感がして、俺は彼女の上着の裾を引っ張る。
「いやだ」
「我儘な子供だね、しげるは本当に」
またへらへら笑って、ハイヒールを履く。
分かってる。どうせ代打ちが終わったら知らない男に抱かれるんだろう。いつもそうだ。いつも違うたばこの匂いを身に着けて帰ってくる。
「ねえさん、俺の事好き?」
悔しくて、悔しくて、溜まらずそう言えば
こんな嘘ならいくらでも
好きだよしげる と彼女は言った背中を 俺は
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