戦争もない平和なご時世の日本に、人身売買があるなんて誰が想像しただろうか。
現にあるのだ。実際に目の前の女は感情すら出さずせっせと給仕をしている。酒を運び、時に客から陰湿なセクハラを受ける。だが、それを助ける人間はいない。帝愛に売られて帝愛が買った奴隷に人権など存在しない。

この女はこのカジノに来た時から、感情など何処かに消えていた。

「店長、少しよろしいですか」

ノックに答えると村上が少し怪訝そうな顔で入ってきた。

「なんだ」
「あの、なんですが」

爪を磨きながらデスク越しに村上を見る。ああ、あの女がどうしたと言えば、村上は続けた。

「最近従業員によく個室に連れ込まれて手籠めにされているようなんです。確かに彼女は帝愛グループの奴隷のような存在ですが、さすがにそれはと思いまして」
「甘いな」

手を止めて村上を見てあいつに人権なんかねえんだよ、俺達だって会長にとって駒以下だろう?と言えば、村上は黙る。

「まあ、お前はそういう奴だよな」
「・・・すみません、お時間頂きました、失礼致します」

村上は一礼し、店長室を去った。



「・・・よかったなあ、心配してもらえて」

そのまま視線を下げると、足の間に屈んで懸命に俺の雄を奉仕するの姿。髪を乱暴に掴んで上下させると、苦しそうにせき込み唾液を床に零す。

「汚ぇだろうが・・・」

ばちん、と頬を叩いてもは何も言わない。

「お前、下の奴らに犯されたのか」
「・・・」
「お前を抱いていいのは俺だけだよな・・・」

髪の毛を再びつかんでぐっと引き上げれば、痛みに顔を歪める。そのまま再び口に含ませると、歯が当たる。痛い。痛えな。でもなぜだろうか、男共に廻されるこいつの姿を想像しただけで、高揚する。こいつが苦しむ姿が最高にそそる。こいつが泣いている姿が見たい、苦しむ姿が見たい。




「さあ、今日はどうしてやろうか」



















君が不幸なら僕は幸せ
息の根を止めたっていいんだ それが俺の愛なのだから

























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