多目的教室が多い西校舎。
美術室に明日の提出物を見事に忘れ、下校後再び学校に戻ると言う凡ミスを犯していた。もう日も沈みかけ、段々と暗くなっている学校は少しだけ不気味な雰囲気を漂わせている。

階段を上がり、最上階の教室に入り、目的物を手にしてさあ早く帰ろうと背を向けた時だった。違和感。ぴちゃぴちゃと小さな水音。蛇口が緩み水が一滴一滴落ちる音ではない。なにか、卑猥な音。

廊下からは曇りガラスの為中が見えない美術室隣の倉庫代わりの小さな教室を恐る恐る覗く。

思わず生唾を飲んだ。

いつも気に食わず睨み付けていた体育教師が、机に座ってとても満足そうな表情で笑っている。その男の股間には一人の女子生徒。目を疑った。あの、校内でも人気の高い女子ではないか。俺も通り過ぎる度にいつも目を奪われ、時々溜まった欲を吐き出す時何度か汚した彼女が。

「おい、ケツ出せよ」

教師がそう一言言えば奉仕を止め、するりと下着を下ろす。膝より少し上のスカートをまくれば、教師はそのまま躊躇う事もなく彼女に挿入した。その後響く打ちつける音。彼女は声を噛み殺し、教師は猿の様にピストンを繰り返した。

当然、条件反射で俺自身も高まり、気づけば夢中でその行為を見守りながら自分自身を慰めている。相手より早く達し、俺は駆け足で教室を去った。情けない、恥ずかしい、という気持ちより、憧れの女性があんな風に汚されているのを目の当たりにしてしまったという悲しさだけが俺を襲っていた。

翌日。
昨日の出来事のせいで授業もろくに聞くことができなかった。疲れた。早く帰って眠ろう。そう思い下駄箱の靴を手に取った瞬間一枚のメモがひらひらと落ちた。

「、あ?」

拾えば、綺麗な字で「西校舎美術室で待っています 」とある。

嘘だろ?と思わず目を疑った。このメモの差出人が、昨日のあの女子だから。あり得ない、バレたのか?それとも口止めか?・・・とにかく向かうしかないと、俺は慌てて靴を戻した。

目的地に入れば、オレンジ色に染まった教室に思わず目が眩む。
辺りを見渡すが本人の姿が見当たらない。そのまま昨日覗いたあの教室へつながる扉へ視線を移せば、少しだけ開いている。そろりそろりと部屋に入れば、そこには手紙の差出人がいた。

「こんにちは、伊藤カイジくん」
「・・・」
「やだな、そんな身構えないでよ」
「・・・口止め・・・か?」

美人で成績優秀。スポーツ万能の彼女に何人もの男が告白したが、彼女は全て断ったという噂は聞いていた。そんな彼女と話すのは、正直初めてだ。

「まあ、昨日伊藤くんに目撃されたの見えちゃって。ああ、あの教師は猿みたいに腰振ってたから気づいてないよ、安心して」
「え・・・」
「大丈夫、伊藤くんがしっかりオナニーしてたのも見えたから」

身体が爆発しそうな位の恥ずかしさが襲う。

「だからさ、お願いがあるんだ・・・たぶん、伊藤くんにとってもとっても都合がいいお願い」

小悪魔のように彼女は俺に抱き着く。シャンプーのいい匂いが、官能的だ。




「私とセックスしよう」









一回の行為につき二万を教師からもらいセックスをしている。
でもあんなオッサンとするのは毎回気持ちが悪い。だからせめて年相応の人間とセックスがしたい。

だから俺が選ばれたのだと、彼女は俺の股間をゆっくり撫でながらそう言った。





















十代の狂気
彼女は昨日とは違う声で鳴いていた

























inserted by FC2 system