★オリジナル設定有







俺の幼馴染は、とてもできた女の子だ。
小さい頃から天才だの偉才だの言って少し距離を置かれ続けていた俺に対して何の偏見もなく対等に接してくれたのがだった。優しくて気配りもできる彼女が俺は昔から大好きだった。ただ、この気持ちを伝えてしまえばきっと何か壊れてしまう。そしては俺の事を友達としか見ていないと気づいていたから、俺は何年も彼女の前ではただの幼馴染であり続けていた。

そんなが最近楽しそうだ。
どうやら同じクラスに少し変わった奴がいるらしい。クラスの違う俺は嫉妬心を隠しながら彼女の話を聞いていた。

「工藤って言うんだけどさ、すっごい一匹狼でね」

は昔から平等主義だからなあと片隅で思っていると、普段俺に見せないような表情でこう言うのだ。

「でも、優しい人なんだよ、今度体育祭で二人三脚やるんだ、がんばる」

こんなにもあっさり失恋するものなんだ、と少し可笑しくなった。
頬杖をついて、うん、がんばれ。なんて返事をすれば、満面の笑みでうん!と言うもんだから、嫉妬心も消えて悲しくなった。

体育祭は見事、工藤とか言う奴とのペアが優勝していた。

体育祭が終わって、寒さが強まった頃だった。
いつも元気なが妙に元気がない。何かあったと聞いても何もないと答える。少し心配になって、期末テストの勉強会と称して彼女を自分の家に招いた。

「あのさ」

黙々と勉強をしていた中、俺は溜まらず口を開いた。

「前言ってた工藤って人と何かあった?」

彼女の肩がびくり、と動いた。ゆるゆると俺を見た後直ぐに目を逸らして、シャーペンを止めた。

「わかっちゃうよね、零なんでも御見通しだもんね」
「相談のるけど・・・どうしたの」

「ふられちゃった」

ふにゃあ、と笑うが目からはぼろぼろと涙を零すを見て、溜まらず俺は彼女を抱きしめた。

「ごめん、ごめん、、俺、今言うのすごく最低だってわかってる」
「・・・零・・・」









細い体を抱きしめながら、俺は言う。












「だいすきなんだ、のことがずっと」












噛んだくちびるからなみだ
だって、今じゃないと君は俺を好きになってくれないでしょ

























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